『エドナ』(’71英)と『キャシーカムホーム』(’66)

エドナ』『Edna, the Inebriate Woman』

(1971 イギリスBBCtv 90分)

監督 テッド・コッチェフ

脚本 ジェレミー・サンドフォード

出演 パトリシア・ヘイズ

1972年度英国アカデミーテレビ賞の最優秀ドラマ制作部門と主演女優賞受賞

YouTube Edna, the Inebriate Woman (full movie) Patricia Hayes - YouTube

 1970年代にNHKで、たしか『海外秀作ドラマシリーズ』というタイトルで外国のテレビドラマを年に数本紹介していた。当時は貴重な字幕放送だった。(❋)深夜枠だったが、好評だった作品は日曜日の昼に再放送していた。『エドナ』は1973年3月28日の放送で再放送もされた。

 「浮浪者じゃない、放浪者だ」そう何度か口にする初老のエドナは、ビニール袋に詰めた荷物を提げて彷徨している。その頃は『バックレディ』などという呼び名があった。エドナが幼い頃に父は母に暴力を振るって家を出てゆき、三人姉妹は母にも拒まれて施設へ入れられた。「マミー、マミー、どうして私を産んだの」老齢になっても精神の危機的状況に陥れば湧上る。どこにも安住できないエドナは、道連れになった新米のバックレディに「一人が好きなんだ」と告げて夜の闇の中へ消えてゆく。(うろ覚えの字幕です)

Inebriate…化学物質(特にアルコール)によって無感覚になるか興奮する

 

 

 テッド・コッチェフ監督作品は公開時に観たので曖昧な記憶ですが、面白かったコメディ『料理長殿、ご用心』('78)『スイッチング・チャンネル』('88)『バーニーズ/あぶない!?ウイークエンド』('89)よりも、アクション物が『エドナ』に近いような…… 『ノース・ダラス40』('79)でスポーツ選手は健康と思っていたのが負傷や傷み止薬で身体がボロボロと初めて知ったし、『ランボー』('82)もベトナム戦争帰還兵の悲劇だ。復元されてリバイバル公開された『荒野の千鳥足』('71オーストラリア・米)は2014年に日本で初公開された。カンガルー狩りのシーンはショッキング、これってもしかしてBL?

 

 主演のパトリシア・ヘイズ(1909~1998)は『チップス先生さようなら』('69)『ネバーエンディング・ストーリー』('84)『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(’88)『ウィロー』(’88)と観たけど彼女が出演していると気づかなかった。 

 

 脚本のジェレミー・サンドフォードは『キャシーカムホーム』(’66)で名高いらしい。『エドナ』のポスターも彼が主体だ。

『キャシーカムホーム』(1966 イギリスBBCtv 75分)

監督 ケン・ローチ

出演 キャロル・ホワイト、レイ・ブルックス

 労働者階級の若い女性キャシーが結婚し子供もが生まれるが、トラック運転手の夫の交通事故を切っ掛けに住居を失い、結局、法の不整備によって子供を国家に取上げられてしまう。

 同作も1969年2月5日に日本でテレビ放送されているようだ。2016年に『ケン・ローチ初期傑作集』で上映された。

YouTube Cathy Come Home (1966 - English with English subtitles) - YouTube

英語字幕付き(聴覚障害者向け?)

 ケン・ローチ監督の『少年と鷹』(kes’69 111分)が1970年代にテレビ放送されたときは平日の昼間だった。

 

❋その頃は字幕スーパーより吹替の方が安上がりだと新聞で読んだ。俳優のギャラの安さ!

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